28 Febお客様は「絶対」正しい?

ここからは、サロンで起こりえるクレームのいくつかをご紹介し、その対処方法をお話ししたいと思います。

新しい進化した商品が出てくるたび人気が急上昇しているのが、ジェルネイルやスカルプチュアといった「つけ爪」です。
初めてトライする人が多いため、トラブルも起こりやすいのではないでしょうか?

クレームをつけたお客様は20代前半の女性。ここではAさんとしておきましょう。
Aさんはアルバイトでお皿などを洗う仕事をしていました。
担当のマニキュアリストは、水をたくさん使う仕事の人は、つけ爪が早く取れてしまう可能性があると説明したのちに、オーダーのとおりにスカルプチュアを施術しました。
施術から数日後、Aさんからサロンへ電話がかかってきました。
つけ爪が浮いてしまった、しかも爪が薄くなってしまい、痛いとのこと。「痛い」というのは大問題です。
電話を受けた担当者はすぐに店長に連絡し、店長から責任者であるマネージャーまで相談があがりました。
Aさんには1度爪の状態を見せてほしいと伝え、ご来店いただくことになりました。
見ると、浮いた部分を無理やり剥がしてしまったようで、爪はかなり薄くなっています。
また、Aさんはすでに皮膚科に通っているということでした。
すぐに先日いただいた施術代金全額を払い戻し、お詫びの品を渡しました。

その1カ月後のことです。
「治療費や包帯などの費用がかさんだので請求したい」とAさんから突然連絡が入りました。またその2ヶ月後、Aさんから大量の領収書が送られました。
見ると病院ではなくドラッグストアの領収書ばかりです。Aさんの説明では包帯とか塗り薬を買ったとのこと。それにしては7千円ぐらいの高額の領収書がいっぱい。金額と品物が一致しません。
これはちょっとおかしいと感じたので、領収書の明細と通院している病院名なども教えてほしいと連絡しました。
その場では「客を疑っているのか」などとお叱りを受けましたが、その後はAさんからはなにも言ってこなくなったのです。

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このクレームを通じて学んだことはたくさんあります。
まず、担当マニキュアリストがお客様としっかりカウンセリングを行って、つけ爪を付けて生活に支障がないかどうかを確認、そのお客様のライフスタイルに合った施術内容を提案することの重要性です。お客様の希望どおりにするだけではお客様の希望する生活ができないことがあるのです。
どうしてもつけ爪を望まれる場合は、注意点をしっかりと説明する。アフターケアの方法を書いた書面もお客様に必ずお渡しして、説明しながら一緒に確認することが大切です。

つけ爪が浮いてしまったのが、注意を守らずに起きたのか、守っても起こってしまったのか。「浮いてしまったら剥がさず来店してほしい」と伝えたか。事前の説明がきちんとなされていればお客様のサロンへの対応も変わってくるはずです。
サロン側に非がないのにすぐに返金したり、品物を差し上げてしまったりすると、お客様の要求もどんどんエスカレートしてしまう可能性があります。
起きてしまったことに対しては謝罪しなければなりませんが、事実関係をはっきりさせて、お客様の要求が正当なものであるかどうかをしっかりと冷静に判断しなければいけません。

27 Feb「逃げ得」にさせない

長くサロンを経営していると施術したお客様から代金をちょうだいできなかったという経験もあります。
ネイルサロンでは、お客様といろいろとお話ししながら施術する内容を決めていくことがよくありますよね。そのため「後払い」というシステムをとっているサロンが多いと思います。

高級住宅街に住まれるマダム、Bさん。最初に来店されたときは、かなり高額の施術を受けられ、なんの問題もなくなごやかに時間を過ごされました。
2回目の来店の際も、手と足のお手入れをされました。そしてお会計、というときです。
「お財布を車に忘れたので車まで取りに行きたい」とBさんはおっしゃるのです。本来なら免許証やバッグなどお金の代わりになるものをサロンに置いていってもらうことになっているのですが、担当者はお客様を信頼し、なにも預からずにお客様を見送ってしまいました。

初回もきちんとお支払いいただいた実績、また身ぎれいにされていて住んでいる場所も高級住宅街ということ、担当者はすっかりBさんを信じ切っていました。
しかし10分たっても30分たってもお客様は戻ってきません。車にも財布がなかったからか、計画的になのか、Bさんは支払いをせずに逃げてしまいました。
その後、何度かお電話で連絡をしても繋がらず、仕方なく手紙を出すことにしました。
それでもいっこうに連絡もありません。初回来店時に書いていただいた顧客カードさえも偽造されていたのでしょうか。

この時点で泣き寝入りをしてしまうサロンさんも多いことでしょう。
私はまず、顧問弁護士から手紙を出してもらうことにしました。するとBさんから「振込先を教えてほしい」と連絡が入ったのです!
これでやっと決着……と思いきや、結局振込先口座をご連絡してから数カ月経ってもお支払いいただくことはありませんでした。

訴訟も考えましたが高額の施術といっても数万円のこと。弁護士さんによると、30万円以下の場合、訴訟をしても弁護士費用のほうが高くつくのでそれを見越してか、この手のトラブルが増えているとのことでした。

たかが数万円。されど数万円です。数万円のために打てる策は限られています。でもサロンにとってもマニキュアリストにとっても貴重な売上なのです。
「食い逃げならぬ『ネイル逃げ』は簡単!」と思われてはたまったものではありません。
今後同じ犯罪をほかのサロンで起こさせないための防衛策を講じましょう。

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まずは、どのような身なりのお客様であっても、お支払いをいただくまではなにかお金の代わりになるようなものを預からせてもらう、という基本の徹底です。
「あら、お財布を忘れちゃって」
「もっと持ってきたはずなのに、お金が足りなかったわ」
「クレジットカードを使えると思っていたのに使えないの?」
悪意ではなく本当にそんな仕方ない状況もあるでしょう。
そのような場合、いついつまでにどのような形でお支払いいただくか、お名前とご住所、電話番号とともに一筆書いていただきたいですね。それが法的にどれだけの効力があるかではなく、なんらかの歯止めにはなるでしょう。

またなかなかお支払いいただけない場合は、第三者、つまり弁護士などに相談して弁護士からの支払い催促などで釘を刺してもらうことも無駄骨ではないと思います。
ネイルサロンは簡単に逃げることができる、と思われないようにしたいものです。

26 Febお客様が求めるメニュー

友達に「サロンに行ったらいくらでネイルアートしてもらえる?」と突然尋ねられたら、あなたは即答することができますか?
ネイルサロンのサービスメニューは複雑で多岐にわたるので、すぐに返事をするのは難しいかもしれません。
しかしお客様には、これから行われるサービスの値段がしっかりわかるようにしておきたいものです。
ベーシックな模様のものが両手でいくら、何本かの指をピックアップしてアートをするならそのアートの分でいくらのプラスになるのか、わかりやすい提示をすることでお客様も安心してオーダーをすることができます。
どのような組み合わせにすればいいのか迷っているお客様にはご予算を伺い、2つくらいのプランを提示してあげられるといいですね。

銀座の人気エステ店Total beauty salon NAOKO

ネイルアートのメニューは派手にすれば派手にするだけ値段が高くなっていくサロンが多いと思います。人気のスワロフスキーのストーンも1粒の単価がそう安いものでもないので、のせるたびに値段は上がっていきます。お客様とのノリでがんがん盛り上がってのせていき、仕上がってからお客様がびっくりするような値段を提示するのは好ましくありません。サロンにとってはその日の売上が上がるともいえますが、お客様にとってのベストを考えてあげられることが、長い目で見てサロンの固定客を得られる方法だと思うからです。
予算内で華やかに見えるのにはどうすればいいか、お客様のライフスタイルに合わないネイルアートになっていないか、きちっとアドバイスしてあげられるサロンでありたいものです。

メニューを増やせば、その分たくさんのものを仕入れしなくてはいけなくなります。反面、長く保存していると劣化するものもあるので、できるだけ無難な仕入れは避けたいところでもあります。
なので、メニューはどんどん増やせばいいというものではありませんが、ネイルの商材はどんどん新しいものが出て進化しています。雑誌やネイルショップから届くカタログで情報を収集したり、トレードショーやネイルショップで試しに体験してみたりして、いいものは取り入れていく気持ちはもっていたいですね。

物販もまた、ネイルサロンの人気メニューのひとつといってもいいでしょう。
最近では携帯電話やライター、ボールペンなどにデコレーションサービスをするサロンも増えてきました。お客様の予約が入らない時間をマニキュアリストが有効に使えるといった意味でもよいかもしれませんね。

なにも、オリジナルのものでなくてもいいのです。施術で使っていて、その商品をお気に入りになるお客様も多いでしょう。ネイルカラーはもちろん、人気はハンドケア・フットケアに使うスクラブやクリームなどです。個人でも使いやすいサイズのものをお勧めできれば、お客様にも喜ばれ、サロンの売上にもなります。

03 Febクレームを聞く心構え

「サロンを辞めたい」というマニキュアリストに理由を聞くと、ミスをしてお客様に怒られたことで自信ややる気を喪失したり、理不尽なクレームやその対応に納得がいかなかったりと、「クレーム」が原因であることがたびたびあります。
確かにクレームを受けると、自分が悪かったとしてもお客様の思い違いだったとしても、どんなシチュエーションでも傷つくものです。
でも、そこを乗り越えてほしいと私は思うのです。クレームに傷つき、恐れをなして消極的な接客や施術になることも、今まで努力し築いてきた人間関係や技術を放り出して辞めてしまうことも、とても「もったいない」ことです。
人は皆、考え方や価値観が違います。こちらがよかれと思ってやったことでも相手からしたら不愉快に感じることがあります。マニキュアリストが接客業であり人と関わっている以上、クレームは起きる可能性があり、クレームを全てなくすことはできません。
クレームはあって当たり前。

クレームを恐れず、お客様ひとりひとりにベストを尽くすこと。少しでもお客様に心地よくなっていただく最高の技術とサービスを提供することが大切だと思います。
でも、もしクレームが発生してしまったらどうしたらよいのでしょう?まずは冷静に相手の言い分を聞いて、なにが問題かを判断することです。次になにをすべきかを検討しましょう。

クレームの対応には重要な事柄が5つあります。
1・できるだけ早く対応すること。
対応の悪さ、遅さがまた新たなクレームに繋がらないように、迅速かつ心をこめて対応することが大切です。

2・お客様の話をよく聞くこと。
お客様の話には、どう対応すればいいかのヒントがいっぱい詰まっています。ここでパニックになっていては、あとあとの対応がすべてピントのずれたものになってしまいます。
またお客様もきちんと話すことで怒りが落ち着き、どこが気に入らなかったか、だんだん整理できるようになります。

3・状況を把握し、なにが問題かを理解すること。
冷静にお客様の話を聞き、その状況をイメージ再現して、何が問題か整理して理解しましょう。お客様の話だけでは理解できなければあらためて質問をすることも必要かもしれません。

4・きちんと謝ること。
お客様の話をちゃんと理解して、結局「なんだ、うちのミスじゃないじゃない!」と思うこともあるでしょう。それでも、やはり1度きちんと謝ることが大事です。
誰が悪かった、という問題ではないのです。
また、こちらが(もしかしたらお客様自身も)気付かないだけで怒らせる原因が隠れているのかもしれません。
「申し訳ありませんでした」この一言で氷解する気持ちもあるのです。

5・改善策を具体的に伝えること。
問題点を整理して理解するのはこのためなのです。自分やサロンのできる改善策を提示し、お客様に納得していただくこと。
今すぐにやり直すのがベストなのか、今回はこういう形になったけれど次回のご来店の際に埋め合わせをさせていただくのか……。
お客様の納得のいく提案をすることが、のちのち自分やサロンにもよい結果を生むことはよくあることです。

クレームは、あなたの自信ややる気を消失させるかもしれません。ですが、その対処次第で新たな信頼関係や自信が築ける可能性も大いにあるのです。

01 Feb顧客カードを活用する

マニキュアリストになって初めてのお客様というのはよく覚えているものです。初めて笑顔を見せてくれたお客様、感謝の気持ちを伝えてくれたお客様…感動とともにある思い出を忘れられるわけがありません。
ですが仕事を続けてくると、接するお客様の数も膨大になってきます。全てのお客様を頭のなかだけで記憶しておくのは困難でしょう。
マニキュアリストは毎日お客様に出会います。反対にお客様は、そんなに多くのマニキュアリストには出会いません。

たとえば、毎年誕生日にはあの優雅なサロンに行って爪の先までキレイになるのが1年に1度のひそかな楽しみ、というお客様がいらっしゃったとします。
マニキュアリストにとっては、365分の1の来店者かもしれません。しかしこのお客様がリピートされるのはそのサロンが、そのマニキュアリストが、オンリーワンのスペシャルだからでしょう。
こういったお客様に「お誕生日おめでとうございます。今年もご来店、ありがとうございます」と忘れずに言えたら、どんなに素敵でしょうか。お客様もこのサロンをずっと利用するでしょう。

私は「お客様カード」「顧客カード」を作成することをお勧めします。サロンによって項目も違うでしょうけれども、一般的な顧客カードを作成してみましょう。
予約をいただいたら、顧客カードを取り出します。毎年同じ時期にいらしているな、それはお誕生日の前だ、と気付いたらあなたの記憶もよみがえってくるでしょう。
残念なことに担当していたマニキュアリストが辞めてしまっていたとしても、カードがあれば引き継ぎもスムーズです。

顧客カードは最初のご来店時にお客様に記入していただきます。すなわち、個人情報を提供していただいたカードになります。
個人情報保護法では、個人情報の利用目的を明確にすることが求められているので、サービスの向上のため以外に使用しないという説明と、ダイレクトメールを送っていいかどうかを尋ねる必要があるでしょう。
また個人情報保護法では、個人情報の管理についても定められているので、鍵のかかる棚などに保存しなければなりません。
しかししまいっぱなしではなんの意味もないのです。きちっと名前の「あいうえお順」に並べるなどして、予約が入ったり来店されたりの際にはすぐに取り出せるようにしておきましょう。
何をオーダーされたか、印象的な話題など、忘れずに記入します。
「前に塗ってもらったカラーがよかったんだけど、またお願いできる?」というオーダーにも難なく応えられるようになります。

お客様にとって「ネイルをマニキュアリストさんにしてもらう」という時間は、贅沢でスペシャルなもの。おざなりに対応されるとがっかりです。
お客様の心をつかむサロンとは、ネイルの技術の高さや値段だけでなく、細やかな心配りの積み重ねをしているサロンなのでしょう。