ここからは、サロンで起こりえるクレームのいくつかをご紹介し、その対処方法をお話ししたいと思います。
新しい進化した商品が出てくるたび人気が急上昇しているのが、ジェルネイルやスカルプチュアといった「つけ爪」です。
初めてトライする人が多いため、トラブルも起こりやすいのではないでしょうか?
クレームをつけたお客様は20代前半の女性。ここではAさんとしておきましょう。
Aさんはアルバイトでお皿などを洗う仕事をしていました。
担当のマニキュアリストは、水をたくさん使う仕事の人は、つけ爪が早く取れてしまう可能性があると説明したのちに、オーダーのとおりにスカルプチュアを施術しました。
施術から数日後、Aさんからサロンへ電話がかかってきました。
つけ爪が浮いてしまった、しかも爪が薄くなってしまい、痛いとのこと。「痛い」というのは大問題です。
電話を受けた担当者はすぐに店長に連絡し、店長から責任者であるマネージャーまで相談があがりました。
Aさんには1度爪の状態を見せてほしいと伝え、ご来店いただくことになりました。
見ると、浮いた部分を無理やり剥がしてしまったようで、爪はかなり薄くなっています。
また、Aさんはすでに皮膚科に通っているということでした。
すぐに先日いただいた施術代金全額を払い戻し、お詫びの品を渡しました。
その1カ月後のことです。
「治療費や包帯などの費用がかさんだので請求したい」とAさんから突然連絡が入りました。またその2ヶ月後、Aさんから大量の領収書が送られました。
見ると病院ではなくドラッグストアの領収書ばかりです。Aさんの説明では包帯とか塗り薬を買ったとのこと。それにしては7千円ぐらいの高額の領収書がいっぱい。金額と品物が一致しません。
これはちょっとおかしいと感じたので、領収書の明細と通院している病院名なども教えてほしいと連絡しました。
その場では「客を疑っているのか」などとお叱りを受けましたが、その後はAさんからはなにも言ってこなくなったのです。
このクレームを通じて学んだことはたくさんあります。
まず、担当マニキュアリストがお客様としっかりカウンセリングを行って、つけ爪を付けて生活に支障がないかどうかを確認、そのお客様のライフスタイルに合った施術内容を提案することの重要性です。お客様の希望どおりにするだけではお客様の希望する生活ができないことがあるのです。
どうしてもつけ爪を望まれる場合は、注意点をしっかりと説明する。アフターケアの方法を書いた書面もお客様に必ずお渡しして、説明しながら一緒に確認することが大切です。
つけ爪が浮いてしまったのが、注意を守らずに起きたのか、守っても起こってしまったのか。「浮いてしまったら剥がさず来店してほしい」と伝えたか。事前の説明がきちんとなされていればお客様のサロンへの対応も変わってくるはずです。
サロン側に非がないのにすぐに返金したり、品物を差し上げてしまったりすると、お客様の要求もどんどんエスカレートしてしまう可能性があります。
起きてしまったことに対しては謝罪しなければなりませんが、事実関係をはっきりさせて、お客様の要求が正当なものであるかどうかをしっかりと冷静に判断しなければいけません。